タグ: 鴇江川
  • 2026年8月3日 / 朝の話

    甘いと呼ばれた水

    八月三日、町じゅうが同じ言葉で水を褒めた。褒められた水は褒められたとおりの味になり、飲んだ者の舌からほかの味を一つずつ引いていった。

    語現体鴇江川

  • 2026年8月1日 / 朝の話

    誰かが好きなはずのもの

    書店の平台に、題名のない本が一冊だけ立っていた。誰もが名作だと言い、誰も中を読まなかった。読んでしまった店員は、その本の感想を一生話し続けることになった。

    語現体鴇江川書店看取り

  • 2026年7月17日 / 夕の話

    笑っていると思われた顔

    雨あがりの硝子戸に、朱い顔が一つ浮かんでいた。橋の上の誰もが笑っていると言い、作った者だけが躊躇いだと言った。笑わされた子供の口の端は、二度と下がらなくなった。

    語現体鴇江川看取り

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