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寝落ちの最後の一行を解読した夜、水の引いた運河で
鴇江市の運河沿いのシェアハウスで、寝落ちする直前の打ち間違いを暗号として読む遊びが広がった。解けた一文のとおりに、眠った住人が水の引いた運河へ下りていく。
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木の日の夜、貯木場の桟橋で根を張った観測者
木の日の夜、鴇江市の貯木場で、高校生が小惑星の掩蔽を測ろうと桟橋に立った。木を植えて守る日だという誤解が、動かずに立つ人を板に植えていく。
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寒露の朝、観測用紙に先に書かれていた気温
寒露の朝、鴇江市の川の観測小屋で、次の正時の気温が用紙に先に書かれていた。寒さが露わになる日だという誤解が、三角州に白いものを立たせる。
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鍵を中に置いた夜の座談会、扉の小窓に残された人
十月の鴇江市で、鍵を中に閉じ込めると中の誰かが鍵を預かる、と皆が信じた。公民館の座談会の夜、席を外した運転手が閉め出される。仕組みを知る錠前屋の手では、扉は少しも動かなかった。
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使用期限の道と、地図に描き足された店主
十月の鴇江市で、使用期限が切れた物はどこかへ返されると皆が信じた。古い町内地図に、前の版には無かった点線の道が現れる。期限の正しい意味を知る地図店の店主は、その道を止められなかっ…
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重大発表の夜、天文台の暗幕の下で名前を読まれた人
十月の鴇江市の天文台で、会員たちは「重大発表」の中身は発表の瞬間まで誰も知らないと信じていた。暗幕をかぶった背の高いものが現れ、決まっていない中身を、その場にいた人で埋めていく…
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製造終了と、白い糸に巻かれた修理店
十月の商店街で、九人が「製造終了」を手元の品まで消えることだと思っていた。修理店の天井に、腹に節のある蜘蛛に似たものが現れ、古い品を白い糸で巻いて持ち去る。正しい意味を言い続けた…
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寒暖差と、分かれた群れの片方
十月の住宅区で、七人が「寒暖差にやられた」と言った。彼らは差を数ではなく、一つの生き物だと思っていた。博物館の庭園に羽音の塊が現れ、誤解のとおりに振る舞う。塊が二つに割れた夜、片…