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埋め合わせの日と、青果店の秤
八月三十一日を「足りなかった分が埋まる日」と信じる声が、鴇江市の廃商店街で像を結んだ。埋めるために何かを持っていく手を、わたしは止められなかった。
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焼肉の日と、一枚足りない当番表
その商店街では、焼肉の日は肉を焼く日ではなく、当番が一人ぶん表から消える日の意味で使われていた。名札は十九枚。数えるたびに十九枚。ただし三度目だけ、二十枚あった。
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賃貸物件と、続きから始まる部屋
その商店街では、賃貸物件は「前の人の暮らしを次の人が続ける部屋」という意味で使われていた。朝の実況中継が一度途切れ、戻ってきた声は言葉を減らしていた。
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半分だけが友達
帳場の見知らぬ客は、右半分が親切で、左半分が悪口を言う。正しく意味を説いた新人は、その日から半分だけの人になった。左から呼んでも、もう振り向かない。