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雇用統計と、働く人の背に数を告げる作業帽
雇用統計の発表日、鴇江市の農園で草のかごが一つ多かった。だれも作っていない七本目の畝で、作業帽の人影が働く人の背にふれて数を告げる。数えられた若者は、手を止められなくなった。
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豆腐の日と、接眼レンズの中の白い四角
豆腐の日の夜、鴇江市では「豆腐は豆を腐らせて作る」という一文が広がった。駅ビルの屋上で星を見ていた同好会の望遠鏡に、白く四角いものが映りこむ。写真には、星しか写っていなかった。
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引き分けと、海の底へ半分持っていかれた声
延長の末に勝負がつかなかった夜、鴇江市では「引き分けは両方から引っぱって半分こ」という説明が広がった。港の観測室で、海底と交信していた職員の声が、まん中から二つに分けられていく。
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洗濯日和と、しだれ桜に干された見回りの人
「晴れなら外に干したものは何でも乾く」という言い方が広まった十月一日の鴇江市。団地の見回りの二周目、中庭のしだれ桜にだけ、だれのものでもない洗濯物がかかっていた。湿っていると正し…